これは最近体調が良くなっていた患者さんにきかれた質問です。例えば冷え症の場合漢方を服用して頂くことでほとんどの場合は改善します。そもそも冷え症というのは生まれ持った体質ですが、若い頃はそれほど強く出ていることが少ないので意識されていないことが多いと思います。しかし、長時間冷房にあたっていたり、冷たい物をたくさん摂ったりしたときはもちろんですが、疲れがたまったりやストレスが多かったりしても全身の気血の巡りが悪くなりより本来の冷えの体質が強く出てきます。このように冷え症は体質なので根本的になくなることはありません。ただ体調を整えていくとこれがほぼ正常になります。
以上のことよりこの質問の回答は、漢方薬を服用を中止した後にどのように生活するかにかかっている、と言えます。冷えが良くなったからといってアイスクリームや冷たい飲み物を普通に摂っていたら当然また体が冷えてきます。今はまだ寒い時期なので衣類でしっかり防寒し、寒い日はカイロを使ったり、生姜のたっぷり入ったスープのような体を温める食材をしっかり摂るなどの対策をする必要があります。治療は決して薬だけではないのです。漢方薬で一旦大きく改善したら、後はなるべく生活面を見直していい状態を維持できるようにいろいろ工夫して頂けるととてもありがたいです。実はそれでだいぶ違ってきますし、しっかり対策して頂ければ戻ることはありません。
私も冷えの体質なのですが、その対策として夏は基本裏起毛のパンツをはいていますし、寒くなってくればそれに加えてダウンパンツをはいています。実は診察室でもはいていたりします（笑）おかげで体調もいいですし、たまに薄着をしても以前ほど冷えを感じることはありません。皆さんもぜひしっかり養生してください。