メニュー 閉じる

AIは医師の代わりになれるか

先日ある患者さんが「ダイエットしようと思って毎日チャットGPTにその日の食事を相談して食べていいと言われた物だけ食べていたら体重が落ちた」と言いました。チャットGPT、私も有料で使用していますが、なかなかすごいですよね。大変な世の中になってきたなぁと思います。この話を聞いて”あっ、もう部分的には医者の代わりができるかもしれない”と思いました。例えば西洋医学はエビデンス重視ですが、エビデンスの収集、解析ならAIは強いですよね。ですから例えば高血圧の外来なんかだと多分現時点でもAIで医師の代わりが務まるのではないかと思います。

でも漢方は複雑なのでなかなかそうはいかないと思います。それを検証すべく過去の治療が奏功した症例の初診の問診をチャットGPTに読ませて処方を考えてもらいました。結果は私の処方とは全く違う処方でやっぱり無理だよなとちょっと胸をなで下ろしました。しかし・・・AIの弁証がなかなか立派なのです。腎陰虚+肝鬱+気陰両虚と3つも弁証(診断)を出してきて、さらにそれぞれの根拠も詳しく述べています。ただ処方は温胆湯+加味逍遙散+麦門冬湯で先ほどの弁証とちょっとずれています。これを見るとまだ漢方医の代わりは務まらないと思います。

しかし、AIは日進月歩ですごいスピートで進化していくと思います。ですから今後数年のうちに研修一年目の漢方医くらいの実力になるんじゃないかと思います。