最近、当院では口コミで「漢方でダイエットをしたい」という患者さんが増えています。以前は、「体重を減らしたい」「お腹まわりをすっきりさせたい」といった美容や体型を目的としたご相談が中心でした。ところが最近は、
「血圧が高くなってきた」
「コレステロールや中性脂肪を指摘された」
「健康診断の数値が悪くなってきたので体重を落としたい」
というご相談が目立つようになってきました。実際、体重が増えると、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病につながりやすくなります。逆に、体重が少し減るだけでも、血圧や血糖、脂質などの数値が良い方向に動くことがあります。そのため、単に「やせて見た目を変える」というだけではなく、これからは健康のためのダイエットがますます大切になってくると思います。
漢方でダイエットというと、
「やせる漢方薬があるのですか?」
とよく聞かれます。しかし実際には、誰にでも同じ漢方薬を使うわけではありません。食欲が強くて食べ過ぎてしまう人もいれば、むくみやすい人、便秘がちな人、ストレスで食べてしまう人、年齢とともに代謝が落ちて体重が増えてきた人など、太り方にもさまざまなタイプがあります。漢方では、こうした体質や体調の違いをみながら、その人に合った処方を考えていきます。その結果、
「以前ほど間食をしなくなった」
「それほど我慢していないのに食事量が減った」
「むくみが減って体が軽くなった」
「少しずつ体重が落ちてきた」
という変化がみられることが少なくありません。体重の変化は少ない方で3、4kg、多い方だと10kg前後、まれに20kg以上落ちる方もいます。先日もある患者さんで体重が12kg落ちたので
「結構落ちましたね」
というと
「それでもまだ標準体重じゃないですから、もう少し頑張ります」
と笑顔で言われていたのが印象的でした。ずいぶん健康的になられているのでその姿を見ているとこちらも嬉しくなります。最近はこういったケースが増えており、もう少し積極的にダイエット漢方に取り組もうと思っています。
体重だけを見るのではなく、血圧や検査値も一緒に
特に高血圧や脂質異常症がある方の場合、ダイエットの目標は体重計の数字だけではありません。
体重が減ってきたら、
- 血圧はどう変わったか
- コレステロールや中性脂肪はどうなったか
- 血糖値はどうか
- 肝機能はどうか
といったことも一緒に確認していくことが大切です。体重が減った結果、こうした数値まで改善してくれば、それは単なる「ダイエット」ではなく、将来の生活習慣病のリスクを減らすための治療にもつながっていきます。このようにダイエットをすることで健康増進のお手伝いができればと思っています。
「やせたい」から始めてもかまいません
ダイエットのきっかけは、
「服がきつくなった」
「昔の体重に戻したい」
「お腹をへこませたい」
という理由でもかまいません。ただ、40代、50代、60代と年齢を重ねてくると、体重を適正に保つことには、それ以上の意味が出てきます。血圧、コレステロール、血糖、脂肪肝など、健康診断で少しずつ気になる項目が増えてきた。そんなときこそ、体重を一度見直してみる良い機会です。漢方を使いながら、無理のない形で体重を落とし、同時に体調や検査値も整えていく。当院では、そんな「健康のためのダイエット」をお手伝いしていきたいと考えています。
なお、当院ではダイエット向けの漢方を保険診療でお出ししています。そのため高血圧、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病がある方、BMIが25以上の肥満のある方を対象とさせていただいています。