夏本番になり、暑い日が続いていますが、年々蒸し暑くなっているように思いますね。漢方的にみて夏の治療というのは主に二つのタイプに分かれます。
一つは湿邪(湿気の影響)が体に溜まるタイプで、これは2つ前のブログで書いたように梅雨時期あたりから影響が出てくる人が増えてきます。
もう一つは暑気中りと言われる暑邪にやられるタイプで、これは梅雨が明けて夏本番になると湿邪に変わって増えてきます。暑気中りとは暑さによって体に熱が溜まり、頭痛やふらつき、倦怠感などの症状が出ます。さらに熱によって体が乾燥してくるので口渇がでたり、脱水になります。
この場合の治療は当然体を冷やしますが、それだけでなく同時に潤いを与える必要があります。湿邪の治療との一番の違いがココで、湿邪は余分な水気を抜くのに対して、暑邪の場合は失われた水分を補うので逆のような感じになります。従来はだいたいこれで良かったのですが、今年は今の時期でも湿気が強く、この二つが合わさった”暑湿”といわれる状態になっている患者さんが多いです。これに対しては簡単に言えば両方の治療をバランス良く配合していくことになります。そういった治療をしている患者さんからは「今年の夏は昨年よりだいぶ楽」という声を頂くことが明らかに昨年より増えていると感じます。
それにしても本当に日本の夏は蒸し暑くなりましたね。予防としては天気のいい日の日中はあまり出歩かないのが一番いいのかなと思います。今開催中の高校野球も方式が変わりましたよね。私もそうですが、中高年の方は若い方に比べて体力も落ちているのでより気をつけて頂きたいと思います。もし暑湿にやられて”暑くて体が重だるく”なった場合はどうすればいいでしょう。私が思う一番簡単な対処法はまず四川料理のような辛い物を食べる。そして発汗させる。通常この段階で体が軽くなってきます。次にその状態で扇風機などで体を冷やします。これで気化熱を生み出しながら体を冷やすことが出来ます。