今日から新しいスタッフが加わりました。明るくて受付にぴったりと思えるような方です。このスタッフさん、他のスタッフとは少し違うところがあります。それは中医学が好きで中医学に携わっていたいからという理由で応募してくれたことです。しかも単に好きなだけではなく、もう何年も本格的に勉強されています。初日だったので色々大変だったとは思いますが、実際の診療に触れて楽しかったそうです。そしてこう言ったのです。
「陰虚ばかりだと思っていたのに全然そんなことないんですね!」
これ、実はとても重い言葉なんですね。なぜならこのスタッフが今まで勉強してきた中医学と私の中医学がかなり異なっていることを意味しているからなのです。世の中には陰虚という弁証(診断)を多く下す中医がたくさんいます。しかし、私がみるとその多くは陽虚の弁証になると思います。同じ患者さん、同じ症状をみても全く逆の弁証になるのです。これまでたくさんの患者さんを治してきているので、自分の弁証にはそれなりに自信があります。このスタッフにとって今日1日診療に触れたことはとても意味があったと思います。私からするとなぜ多くの中医が陰虚の弁証をしたがるのか理解に苦しむのですが、これからこのスタッフを通してそのプロセスを探っていきたいと密かに思っています。