久しぶりにgoogleで自分のクリニックを表示してみたら、評価が1つ増えて5つになっていました。今のところ5つ星ばかりなので嬉しい限りです。ただ、日々忙しく診療していると至らない点もあるとは思いますので、お気付きの点があればご意見箱にてお伝えいただき、改善していければと思います。
さて、通常初診の方は2週間程度で処方をお出しするのですが、評価のコメントをみていただくと1回目の処方で効果を自覚されている方が少なからずいらっしゃることがおわかりになると思います。
以前からブログ等にてお伝えしていることですが、中医学的に漢方を使用する場合、効果の発現は一般的に思われているほど遅くはありません。風邪の薬は1、2日で効果が出るのは当然ですが、それ以外の症状についても通常は1週間から2週間で何らかの効果を実感していただけることが多いです。
2週間の服用で全く効果が実感できない時は、主に2つの理由が考えられます。
一つは薬が合ってない時です。漢方は血液や画像などの検査を用いて診断することがほとんどありません。問診と簡単な診察だけです。それゆえ正しく診断することは西洋医学に比べるとはるかに難度は高くなります。漢方医によって処方が全く異なったりするのはこれが原因です。私自身自分の診療技術にそれなりに自信はありますが、それでも全ての患者さんを正確に診断できるわけではありません。特に大学病院をはじめ様々な医療機関でも診断がつかないような方の場合、中医学的にみてもやはり診断が難しい場合があります。
もう一つは難治な場合です。癌などのように中医学的に診断はできていても薬がききにくい場合がそうです。それ以外でも例えば肩こりや坐骨神経痛なども頑固な場合があります。これらの病気は軽度であれば1回の処方で驚くほど良くなる場合もありますが、頑固な場合は最初の処方ではびくともしないことがあります。もっともどの程度の処方で薬が効いてくるかは個人差があるので、最初は少量から中等量でお出しします。ですから効かないケースがあるのは想定内ではあります。例えば以前来られていた坐骨神経痛の患者さんは初診時は5mほど歩くと痛くて休憩が必要になる状態でした。最初の処方では「全く変わりない」と言われ、基本的に同じ処方をその都度増量していきましたが、5回ぐらい同じやり取りが続きました。しかしその後から症状が緩和し、半年ほど経った時点で1kmぐらいなら痛みなく歩けるようになりました。肩こりもそうですが、ガチガチに凝っている方は薬の効果が症状の強さを超えるまではびくともしません。しかし一旦症状が緩和してくるとどんどん楽になります。
以上のようにすぐに効かない場合もありますが、当院では8割ぐらいの方に最初の処方で効果を実感していただいていると思います。「漢方は3ヶ月、半年ぐらい飲まないと効かない」というのは当院では当てはまりません。しかし、一般用医薬品では医療用に比べ同じ処方でも量が少ないことが多いので効果の発現はより遅くなると思います。