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拡がりつつある新型肺炎

今日で四月になりましたが、今のところ新型コロナウイルスの感染拡大が止まりそうにありません。患者さんからも時々「この先、どうなるんでしょうか?」と訊かれることがありますが、それは私にもわかりません(笑)

ただ、私自身は2月の時点で日本でも感染は広がっていくのではないかと予想していました。それはなぜかというと中国の厳しい管理状況を師匠から直接聞いていたからです。私の師匠は四川省の成都ですが、武漢から約1000km離れた成都でも都市封鎖がおこなわれており、ほとんどの企業は活動停止で師匠のクリニックも3月いっぱいまで営業停止になっていました。外出するのも一家族に一枚配布された外出許可証を携帯しなければならず(つまり一度に一人しか外出できない)マンションのゲートで毎回体温と許可証をチェック、もし車で外出したら帰ってきたときにゲートの前で車を消毒しなければならず、市外に出た場合は自動的に2週間自宅待機という厳しさでした。最初に聞いたときはとんでもないと思いましたが、その後中国が改善し、諸外国で増えていく状況を見るにつけ、中国ぐらい徹底的にやらないと鎮静化できないのではと思うようになりました。日本の場合は学校を休校にしましたが大人は出勤しているわけですから、そのような状況では抑え込むのは困難です。そのときに会社を規制しなかったこともそうですが、ここまで感染が拡大してきても緊急宣言を出さないのは政府がいかに経済を重視しているかをあわらしているように思います。

このまま感染者が増え続けると日本でも医療崩壊がおこるかもしれません。実は知り合いの中医師(中国人)の元同僚がなんと突貫工事でできた武漢のコロナ専用病院の院長に指名されました。そこからのリアルな情報も聞いていたのでもはや人ごとは思えず非常に危機感を持ちました。もし熱があって病院に行っても何時間も診てもらえない、あるいはコロナと診断されてもベッドがなくて入院できない、そんな状況になったら・・・・トイレットペーパーがなくなるだけでもすごいパニックになったのですからとんでもない状況になるのは容易に想像できます。こんなことはあってほしくないですが実際に中国ではそうだったのでその可能性は考慮しておく必要があると思います。

私は何も皆さんを怖がらせたいわけではなく、それくらい慎重に考える必要があると言いたいのです。政府が動かないのであれば、自分たちでなるべく防御するしかありません。一番有効なのは外出しないことだと思います。私のクリニックは遠方から電車を使って来院される方もたくさんいます。そういった方のリスクを減らすために状態が落ち着いている方には今回の特別措置による電話診療をおすすめしています。また私自身も今のところは元気ですが、いつコロナに感染するかわかりません。以前もブログで書いたように罹ったら自分で治すつもりでいるのでそれほど心配していないのですが、私が罹ると患者さんに大変なご迷惑をおかけしてしまうので、そういう意味で患者さんとの接触を少なくできるならその方がいいと思い新患の受付を中止しています。

外出できなくてストレスがたまっている人もいるかと思います。私も出かけるのが好きな方で週末になるとほぼ毎週喫茶店に行っていたのですが、最近は以前にも増して家族で団欒をとる時間がとても貴重に感じられ、一日中家にこもるのも苦痛でなくなりました。一緒に楽しい時間を共有してくれる家族(猫のタマちゃんを含む)に感謝しつつ、しばらくは家でゴロゴロ過ごす生活を堪能したいと思います。