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この季節は暑気当たりに注意、中医学的には気陰両虚になりやすい

ここ数日急に暑くなってきたと感じます。昨日のニュースでもこの1週間で6千人以上の方が熱中症で救急搬送されたとありました。東洋医学的にみて夏は”暑”と”湿”が影響しやすく、その対策を考える必要があります。梅雨の時期までは湿による影響が主でじめじめして体当然体がが重だるくなりますので、以前書いたように生姜やその他で湿気を抜くようにします。それに対しこの時期になると暑さの影響が非常に強くなります。

暑くなると体に対して主に二つの影響が出ます。一つは当然ながら体が温まるということです。その影響で熱中症のようになることがありますし、熱っぽくなると精神も静まりにくくなりますので不眠などの症状も出ることがあります。もう一つは熱によって脱水気味になり体が乾燥するということです。脱水気味になると腎臓に負担がかかることもりますし、血液が粘って血管が詰まりやすくなったり肌が乾燥してかゆみが出たりすることもあります。中医学的には体を冷やして潤す作用のある陰という物質が減少する陰虚になりやすいと考えられます。これに加えて暑さで体力を消耗して元気がなくなることもあります。

これに対し漢方薬としては体の熱を取り、潤して元気を出す(陰と気を補う)ものを使います。代表的なものとしては生脈散という薬があります。これは人参、麦門冬、五味子という三つの生薬から構成されています。人参は元気を補う作用が非常に強く、麦門冬は潤す働きが強いです。五味子は止汗作用があり汗を抑えて陰を守り体の熱も取ります。シンプルな薬ですが人参、麦門冬の薬効が強いので効果は良いです。欲を言えばもう少し熱を取るものが入っているとより効果的だと思います。

食事であれば山芋がよい食材です。山芋は山薬といって生薬でも使われますが、その効能は益気養陰といって気と陰を両方補ってくれます。ただ体の熱はあまり取ってくれませんからこれにスイカなどを合わせて摂ると良いとおもいます。冷やし山かけそばにスイカというのはいかがでしょうか。よければたまに試してください。