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今年の診療が終わりました

今日で今年の診療が終わりました。今年はコロナでほぼすべての方の生活に影響が出たと思います。医療機関についても受診抑制が起こっているといわれます。当院も新患の受付については一時的に自主的にストップさせていただきましたが、一年を通してみると今年もたくさんの方に受診していただき本当にありがとうございました。

このコロナ下であたらめていろいろ考えたときにもう少し私が持っている知識を皆さんとシェアできるといいと思いました。ちょうど今「わかさ」という雑誌でほぼ連載に近い感じで漢方の記事を書いています。個々の症状に対していくつか処方は挙げて解説していますが、一般的な漢方の本に載っているものとは違う処方が出ていることがあります。それは陸先生から受け継いだ中医理論や臨床経験に基づいており私の臨床の特徴の一つです。

また、当院の患者さんの中にも漢方や薬膳を勉強している、或いはそれを教えているという方が少なからずいます。ただ一般の方は多くの生薬を扱うことができませんので、より専門的な知識を学ぶことはあまり必要ないのではないかと思っています。それよりは身近にある”薬草”の知識を深めるのがいいと思います。例えばドクダミはよく見かける薬草の一つですが、漢方では十薬あるいは魚腥草といって清熱解毒、排膿の働きがあり、肺炎の漢方治療によく用いられます。従って今回のコロナ肺炎にも効果を発揮する可能性があり、コロナに対して中国衛生部が推奨している清肺敗毒湯という漢方薬の中にも含まれています。このようにハーブを含めた身近な薬草の中にも比較的薬効の強いものがあり、これらを家庭でうまく使えるようにするのが一般の方にとってはとても役に立つのではないかと思います。将来的にそういったことのお手伝いができるといいなと思っています。

それから少し前にも書きましたが、今ペット漢方に興味を持っています。人向けの漢方の本は本屋に行くと山ほどありますが、獣医向けの中医学の本というのはほとんど見かけません。一冊だけ入手できたのですが、内容は人向けの中医理論をそのまま載せているようなものでした。実際に漢方薬を使っている獣医の先生もいらっしゃいますが、その比率は医師と比べると雲泥の差でそもそも漢方を勉強する機会が極めて限られているのが現状のようです。そのせいかこの前体験したセミナーでも台湾と日本とのレベルの差を感じました。ですのでもし中医学を勉強したい獣医の先生がそれなりにいるようであれば、その方たちを対象に来年あたり勉強会をおこないたいと思っています。あくまでそういう需要があればの話ですが・・・