メニュー 閉じる

上海研修その1

お盆休みに上海中医薬大学に研修にいってきました。ここ数年台湾にはよく研修に行っていますが、中国は数年前に師匠を訪ねて成都に行って以来2回目になります。そして本場の中医薬大学の見学は初めてです。研修内容については全て外来見学の希望を出したところ全て教授の外来見学を組んでいただけました!

初日は婦人科の教授でしたが、なんと半日で60人診るそうです。忙しく診療する中、私たちに説明もしてくださりありがたかったですが、そのせいで9時台の予約の患者さんが11時近くまでかかり、教授にも患者さんにも大変申し訳なく思いました。

午後の教授は日本語も話せる方でわざわざ予約の数を減らして準備してくださっていたそうですが、なんと当日交通事故にあい、研修ができなくなりました。こんなこともあるんですね・・・でも後から大きなけがはなかったと聞いて安心しました。残念ですが、いつかお会いすることができればと思っています。

急遽代わりに見学させていただいたのが伝統中医科の先生でした。その先生はとてもユニークで処方、鍼、お灸、推拿(マッサージ)をなんと全て一人で行います。大体の流れはまず診察して処方し、次に患者さんが座った状態で推拿をします。その後患者さんをベッドに寝かして針とお灸、場合によって吸い玉までします!まさに東洋医学のフルコースといった感じで汗だくになりながら一人でこなす姿には感銘すら覚えました。

また、ある顔面神経麻痺の患者さんに処方した内容を見てビックリしました。予想していたのよりずっと強い処方で、素晴らしい処方だと思いました。いろんな本を見てもここまでの処方はなかなか出てきません。これと同じような処方を私も使ってみたいと以前から思っていますが、なにぶん日本では保険外のものが多くて実際に処方したことはありません。そんな処方を実際に見れて思わず嬉しくなりました。ただ、この処方を出せばほぼ100%漢方だけで治ります。針も週に3回行うと言っていましたが、そこまでしなくても・・・とも思いました(笑)でももし自分が顔面神経麻痺にかかったらこの先生に見て欲しいです。

ちなみにこの先生の推拿を体験させていただきましたが、バキバキ系の推拿で途中で何度も「ウッ!」と唸ってしまいました。途中でギブアップしようかと思うくらいでしたが、終わると体がスッキリしていました。同行していた人はそれがあまりにも可笑しかったらしく涙目になっていました。

もう私も歳なので推拿まではできませんが、この先生のようになるべく患者さんの役に立てるように頑張っていきたいです。