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コロナの後遺症について

最近またコロナがすごく流行していますね。大阪では1日2万人が新規に感染したりして猛威を振るっています。私は幸いなことにこれまで感染していませんが、これだけ流行するといつかは罹るかなとも思っています。でも一時期に比べると重症化は少ないようですし、漢方が効いてくれるだろうと思っているので正直それほど怖くはないです。急性期の病態は漢方的にみるとその時の流行のタイプなどによって少し違っているので特別これといった治療法はなく、感染症に対する一般的な中医学の知識を駆使してケースバイケースで対応していけば十分に治せるものが多いと思います。

さて、タイトルにありますように今日は後遺症についてお話ししたいと思います。後遺症については中医学的にみて一定の傾向があります。それはほぼ共通して瘀熱という状態があることです。最初にコロナに罹ったときは中医学的に大雑把に言うと風熱または風寒という状態で関節痛などの症状も伴って体の表層部に症状が出てきます。それが進行してくるとより中に入って血液に入り血熱と言われる状態になることがあります(風寒でも途中で熱に変わり血熱になります)。これは中医学の世界では古くから知られているのですが、後遺症のある方はほぼみなさん、その中でもとくに瘀血といって血液の流れが滞る状態も伴っている瘀熱になっています。症状でいうとまず血熱があるので発熱や熱感、動悸、不眠、脱毛、そして瘀血によって手足の痺れ、筋肉痛、頭痛、頭がぼーっとする(ブレインフォグ)、眩暈、それに程度の差こそあれ気虚による倦怠感があるのがよくあるパターンです。さらに経過が長いと不安に伴う症状も出てくることもあります。

東京などでは後遺症外来をしているところもあり補中益気湯や十全大補湯などがよく処方されるようですが、これらの漢方薬では倦怠感が少しマシになるくらいで、それ以外の上記の症状についてはあまり改善は期待できません。ではどうしたらいいかというと血熱に対しては清熱、瘀血に対しては活血、気虚に対しては補気をしたいのでこれらの効能のある漢方薬を組み合わせます。漢方薬についても具体的にお話しできるといいのですが(コロナについてはなるべくオープンにお話ししたいと思っています)、当院独自のやり方があり、他で簡単にまねできるとは思えませんので控えさせていただきます。言い換えれば通常の方剤、例えば活血なら桂枝茯苓丸を1日3包というようなよくある処方では症状に対し薬が軽すぎてあまり効かないことも少なくありません。ですから漢方で治療する場合は(というか後遺症については漢方以外はあまり効果がないのではと思います。)相応の漢方の専門家に診てもらうことをオススメします。もし後遺症が出てしまった場合でもこれらの治療をおこなえば大抵よくなりますから、あまり心配しすぎないようにして頂きたいと思います。ちなみに治療期間は3ヶ月以上後遺症が続いている方は半年から一年が目安になります。かなり頑固な症状ですのでしっかり治療してもそれくらいかかります。