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夏に養生する

10月も後半になり少し冷えてきました。風邪をひいている患者さんも増えてきていますが、そんな中、一つ気づいたことがあります。

当診療所には冷え性の患者さんがたくさんいます。中には年季が入っていたり、筋金入りという感じの方もいて数年治療をしている方もいます。みなさん少しずつよくはなっているのですが、例年この時期になると冷えが出てくるので薬を強めます。ところが今年は「まだ冷えない」という方が多いんですね。

これは薬の効果ももちろんあると思いますが、それだけでなく今年の夏が暑かったのでその時にあまり冷やさず冷えの養生がしっかりできたからだと思います。冷え性の方は体の冷えを治すために温かいものを取り込む必要があります。それが食事だったり漢方薬だったりするわけですが、しっかり夏に太陽を浴びるというのはお金のかからないもっとも自然な養生法とも言えます。中医学の中には「冷えの養生は夏にする」という考え方があるのですが、ほとんどの方はそういった認識がありません。したがって夏は冷房などで涼しくして過ごされていますが、これだと体を温める季節がなくなってしまいます。したがって冷え性の人は熱中症にならないように気をつけながら、やはり夏は暑さを感じながら過ごしてほしいと思います。

暑がりの方は逆に冬にしっかり体を冷やすようにするように心がけていただくといいと思います。そうでないと体の熱がとれる時期がありません。

こんな風に長期的な視野に立って冷えや暑がりの治療を考えることも実は大事なことになりますので、そういった症状でお悩みの方は少し意識して過ごしていただくといいと思います。