メニュー 閉じる

今年を振り返って

2019年も今日が最後となりました。28日で今年の診療が終了しましたが、今年もたくさんの患者さんに受診していただきありがとうございました。早いもので開業してから9年目になりましたが、今でも患者さんが増え続けていることに私自身驚き、またありがたく感じています。

さて、今年を振り返ってみるとまず、春に神戸中医学研究会の会長を辞任しました。会の運営は自分にとっては大変で思った方向性にならず、力不足を痛感したため辞任させていただきました。神戸中医学研究会は日本の中医学を牽引してきた研究会であり、私も10年以上在籍させていただき、たくさんの素晴らしい先輩方や仲間に恵まれ楽しい時間を過ごさせていただきました。もう少し恩返ししたかったのですが残念です。今後も陰ながら研究会の活躍を応援していきたいと思います。

それから海外研修もありました。上海中医薬大学の見学は初めての本場の大学の見学でしたが、実際に中国の中医学の現状を生で体験できたのは貴重な経験でした。それからこのブログにも書いた台湾の“孤高の診療所”は想像を絶していてすごいインパクトでした。これまでも台湾の中医学の診療を数箇所見学していましたが、それらとも全く違うスタイルの診療で度肝を抜かれました。正直なところ、これまで海外研修では自分の期待を上回る診療というものはなかったので、そういう意味ではとてもいい経験ができました。

もう一つ、大きなイベントとしては臨床試験があります。現在試験を開始して1ヶ月経ちました。今回使用している薬は実は数年前から私も体調が悪くなってくると服用している薬で、中医学的には腎を補う力が非常に強い薬です。冷えや倦怠感の改善にもとても良い効果があり、はやくもそういった部分で効果を実感している方が、まずまずいらっしゃいます。データ的に改善がみられるかどうかはまだわかりませんが、個人的にはとても良い薬だと思っているので、体調がよくなる人がたくさん出てくればいいなと思っています。

最後に一つ挙げておきたいこととして秋から弟子を一人とりました。本や勉強会で身につくこともたくさんありますが、直接教えてもらうことでスキルアップする部分もたくさんあります。目下、私が師匠に教えてもらったようにその先生にもマンツーマンで指導しています。

漢方を勉強するうえで私はセンスが必要だと思っています。どういうことかといいますと、漢方にもいろんな流派、指導者がいて選択肢はたくさんあります。そしてどの選択肢を選ぶかによって、才能や努力のいかんにかかわらず、結果はかなり違ってきます。一生懸命勉強しても普通は師匠を超えることは難しいものです。ですから師匠となる人の実力が劣っていれば、自ずと結果は見えてきます。個人的には優秀で才能はあるであろうと思える人が漢方家として大成していないケースをたくさんみてきました。ですから最初の選択が非常に大事になります。そしてその選択を決めるのは何なんだろうとここ数年考えてきましたが、結局その人のセンスなんだろうという結論に至りました。ですからそういう意味でのセンスが絶対的に必要です。

それから私が弟子に求める条件がもう一つあります。それはここでは書きませんが、そのお弟子さんはそれも満たしていて、私から見ると稀有な存在です。ですから陸先生から教わったものに私が独自に習得したものもプラスして、私の持っているものすべてを伝えていきたいと思っています。